西島文年君、宇野賢治君、平井泰君、そして私、岩健次郎の4人で飲んでいるとき、「我々は戦中戦後の混乱期に学校生活を送ったので、卒業旅行というものをやっていない。ひとつこの際、4人で卒業旅行をやろうじゃないか」と西島君から提案があり、それでは早速ということで、4期の本田さんのお嬢さんが日本旅行高槻支店にお勤めとのことで、お願いに上がりました。
1.老人ばかりなので、この点に配慮願いたい
2.1泊2日程度
3.予算25,000円程度
4.温泉地
5.美味しいものが食べられるところ
6.静かなところ
等々の虫の良い注文ばかりがついていました。
これに対しお嬢さんが考えてくれたプランは、5月21、22日の1泊2日、場所は北陸山中温泉の「吉祥やまなか」という旅館で、往復JR特急サンダーバード号利用というものでした。
心配していた当日の天気は良好。京都駅11時10分発、加賀温泉駅着12時53分着、したがって車中食事となり、何にしようかと相談したところ、マス寿司が良かろうと、車内販売嬢を煩わし、缶ビールとマス寿司を4老人が分け合って、おしゃべりしながら、美味しくいただきました。
旅館は鶴仙渓のほとり、加賀料理が満喫でき、さすが北前船の寄港地と感心させられ、4人とも静かに温泉にどっぷりとつかり、露天風呂も楽しみました。
芸妓さんを呼んで「お座敷体験」山中節、四季の舞等を楽しみたいと思いましたが、年金生活者ばかりなので節約し、広間で大勢の観客と一緒に芸妓の舞を堪能しました。
翌日も天気が良く、近辺を散策しようということになり、-プランは宇野君に任せて-巡回バスに乗り、森光子さんがこの地に来られた跡を偲び、菊の湯、山中座を見、ゆげ街道を進み、芭蕉や夢二が訪れたというコオロギ橋を見に行きました。
帰りは、加賀温泉駅14時44分発、京都駅16時37分着の特急サンダーバード号で無事帰着いたしました。
最後に、この旅行のプランを立てていただいた本田さんのお嬢様に感謝いたします。
【岩 健次郎】