二度の頂点からそれぞれの頂点へ

 今年6月17日、関西高校アメリカンフットボール選手権大会決勝戦の勝利の瞬間、王子公園スタジアムバックスタンド歓喜の輪の中にいた。

 思えば2年前の1月11日にこのチームが日本中学生アメリカンフットボール選手権の覇者になった時も、スタンドの片隅にいた。年甲斐もなくはしゃぎ、とても興奮している中で「こんな嬉しいことはそうそう無い」と思っていたのに、二度も頂点に上り詰めた姿を見せてくれた。心底望外の喜びである。

 高槻高校アメリカンフットボール部草創期に身を置いたものとしては、当時からは想像も出来ない、まさに隔世の感がある。

 しかし、このチームも易々とこの場所にたどり着いたのではない。昨年の関西大会準決勝、啓明学院戦で試合終了間際に逆転を許し目前の勝利を逃した大変ショッキングな敗戦を経験し、今年大阪大会では準決勝敗退の後、3位決定戦を経て関西大会に臨み、4週連続試合という超過密スケジュールの中勝ち進むという、恐らく心身共に疲労の極みの中、ボロボロになって勝ち取った栄冠であったことは想像に難くない。並の高校生の出来る仕業ではないと思う。しかも今回関西大会準決勝戦は、大阪大会で敗北を喫した箕面自由学園とのリベンジマッチを完勝で制した、誠に価値ある1勝であった。よくここまで心を折らずに戦ってくれたと、畏敬の念すら覚えるのである。

 彼らを支えて来たものは、監督・コーチの指導の下、繰り返し繰り返し、反復の上にも反復を重ねたファンダメンタル(基礎練習)であったのではないかと思う。これらが紆余曲折や挫折を乗り越える原動力となり、やがてはそれぞれの自信となって苦難や障害に立ち向かう強靱な精神力を養うことになったのではなかろうか。

 特に決勝の関学戦では前半リードしたものの、第4 Qの猛追にも耐え凌げたのはその証拠であろう。現にゲームスタッツ(試合統計)を見ると、得点とランの獲得ヤード以外はすべて関学を下回っていたにも拘わらず覇権を握り得たのは、並々ならぬメンタルの強さを発揮したことを物語っている。

 WILD EAGLESのチームスローガンである「Your attitude, not your aptitude, will determine our altitude.(我々の昇れる高さを決めるのは、才能ではなく、あなたの態度・心構えである)」という名言を実現化したことが今回の結果へと繋がったと言えるであろう。無論才能溢れた選手がいたことには相違ないが、それだけで勝てるほどフットボールは甘くない。チーム一丸となったプレイの完成こそがすべてである。

 今後はチームメイトそれぞれこれからの人生の頂点を目指す挑戦を見守りながら応援し、そして今年還暦を迎えた筆者を躍動させ若返らせてくれたことに心から感謝する次第である。

(株橋隆真・29期)

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