4月に発足した「歩み」研究会は、高中・高高70年の歴史研究を毎月の例会と会報発行を軸に進めてきました。この半年間で、かつてない量と質の証言・資料が集まってきています。ここでは7月~10月の例会をごく一部紹介します。詳細は会報をご覧下さい。ご希望の方は、osio@takatsuki.ed.jp へ。
なお、次の例会は12月です。(11月はお休み。)
日時: 12月6日(日) 午後1時30分〜4時
場所: 学校会議室(2階)
内容: 卒業生座談会シリーズ第3回
14期~20期(昭和30年代後半~40年代初頭)
7月例会と8月例会は、それぞれ旧1期から新5期までと、6期から13期までの卒業生が、在学中に受けた教育を語り合った。昭和16年創立の高中は校長はじめ教員が国家主義に迎合するような傾向はなく、勤労奉仕先で生徒が問題を起こしても、企業や配属将校に対し盾となり守ってくれたという発言があった。戦後は、占領軍の押し付けがましい教育政策に批判的なところも校長にはあったようだ。教員一人一人が信念にもとづいて教育していたという印象がかなりの卒業生の間で共有されている。また、校長の尽力で京大の大学院生を多く教員に採用したことが高高の教育に幅と奥行きを深め、印象に残る授業をする教員がいた事も戦後の教育の特色だと言えよう。
9月例会は、学校新聞を通しての校史研究が目的だった。敗戦直後の昭和21年に創部した新聞部は「高槻学園新聞」を発行し、途中紙名を変え、断続しながらも平成2(1990)年まで続いた。70年の歴史の大半をカバーするこの学校新聞は生徒や学校の動きを生き生きと伝えている。橋本健午氏(13期)をはじめ歴代の部員達が新聞の中身の分析や発行の意気込み、苦労話をし、興味津々であった。新聞の分析はschool identityの探究には不可欠である。
10月例会は、来年の創立70周年にむけてのプレ企画であった。初代校長のお孫さんである秋山哲氏が人間・教育者・校長吉川の生き様を校長の「日記」を用いて講演し、聞き手を魅了した。校長から強烈な印象を受けた教え子の体験談も貴重であった。盛会であった。
「歩み」研究会の例会の記録
- 4/19 発足総会: 正副会長選出、方針討議 21名参加
- 5/31 「私の高中時代がその後の人生に与えたもの」井上勝也講演 18名参加
- 6/21 「試行錯誤40年の学校づくり」永尾正昭講演 16名参加
- 7/19 「吉川校長時代1:戦中と戦後」旧1期生~5期生座談 21名参加
- 8/23 「同上2:昭和20年代後半~30年代中頃」6~13期座談 27名参加
- 9/13 「重要史料『高槻学園新聞』のすべて」元新聞部員・顧問 27名参加
- 10/3~4 文化祭「歩み展第4歩」 「学園新聞に見る生徒自主活動の歴史」
- 10/18 プレ70周年記念 「『吉川日記』から見える高中・高高の草創期と初代校長の奮闘記」 秋山哲講演; 卒業生座談 35名